2010年11月15日
「全方位」でチャレンジをするドコモ
昨日・今日で、NTTドコモがプレミアクラブのプレミアステージ(※1)会員およびDCMX(※2)会員向けに新商品内覧会を実施しました。
それに先立って、(おそらく)ドコモ史上初となるブロガー向け新商品内覧会がAMN運営で実施されました。
招待されたブロガーは、午後実施のプレミアステージ会員・DCMX会員向け内覧会の時間帯も含めて、新商品見放題ということだったので、ドコモ信者たる自分が応募しない理由はありません。喜び勇んで応募したところ、当選し、行って参りましたので、そのご報告です。
(※1)プレミアステージ会員になるには、ドコモとの契約年数が10年以上、または1契約で月額利用料金が平均2万900円以上(一部計算対象外料金あり)である必要があります。
(※2)DCMXは、ドコモが三井住友カードの支援を受けつつ自社発行しているクレジットカードです。利用分でドコモポイントがたまります。
ドコモの今冬・来春の新製品のキーワードは、「全方位」。他の事業者がAndroidを搭載したスマートフォンに思いきり傾注する姿勢を示したのに対し、ドコモはAndroid「だけ」ではなく、今までのケータイ(「フィーチャーフォン」とか「ガラケー」と呼ばれている端末)や、次世代通信規格であるLTE(Long Term Evolution)にも注力しますよ、という一番多くの顧客を抱えている事業者らしい方向性を示しました。
その全方位姿勢の柱のひとつが、スマートフォンな訳ですが、特に人気を集めていたのがREGZA Phone T-01C(ドコモ・富士通)です。全展示製品の中で唯一、体験コーナーに待機列が形成され、体験に制限時間が設けられるほどでした。
この端末は、東芝の携帯電話事業が、富士通東芝モバイルコミュニケーションズに移管してから初のドコモ向け端末となります。防水機能を備えているほか、おサイフケータイ、ワンセグ、高画素カメラなど、日本のハイエンドケータイに親しんだ人が実に大喜びししそうなAndroid端末となっています。それが、このような好評を生んだのかもしれません。
裸眼3Dにも対応した液晶を搭載した、やはりハイエンドケータイ好きが喜びそうなスマートフォン、LYNX 3D SH-03C(ドコモ・シャープ)も、裸眼3Dはどんなものか、という興味を引いたのか、なかなか好評を博していました。
これらの会場での人気スマートフォンはAndroid 2.1を搭載しており、最新の2.2ではありません。しかし、OSの目新しさが、必ずしもスマートフォンへの評価を悪くするとは限らない、ということが、垣間見える光景だったように思います。だからと言って、OSのバージョンアップをサボる、ということはなく、T-01C、SH-03Cともに、Android 2.2へのアップグレードは予定されています。発売後数ヶ月以内を目標にしているそうです。
一方、スマートフォンは、ケータイとに比べると「スマート」じゃない面も少なからずあるように思えます。そのひとつの解答として用意されるのがOptimus chat L-04C(ドコモ)です。
Optimus自体は、LG電子がグローバルで展開しているAndroidスマートフォンブランドで、Optimus chatは、エントリー向けのQWERTYキー搭載のモデルとなります。自社製の"Optimus UI"というユーザーインターフェース(UI)を搭載しているだけではなく、「ケータイを使ってきた人向けに、スマートフォン分かりやすく使ってもらうためにはどうしたらいいか」という命題に対して、ドコモなりに出した解答である「ドコモメニュー」というUIも搭載しています。このUIは、ドコモのケータイのメニュー構成をほぼそっくりそのまままねたUIになっています。「スマートフォンは『素』のままが良い」というソフトバンクモバイル(SBM)の思想とは全く逆を行く発想です。
T-01C、SH-03C、そしてL-04Cを見て感じるのは、「スマートフォンは『素』のままだと販売拡大できない」というドコモなりの思想です。
先ほど、「スマートフォンは、ケータイとに比べると『スマート』じゃない面も少なからずある」と書いたのは、まさしくそこで、今までケータイに親しんできた人たちからすると、スマートフォンの「素」では何にもできない不安があるはずで。とそういう意味では、「とりあえず最新のAndroidのせてみましたー」的、あるいは「いちから環境を構築してこそのスマートフォンだ」というアプローチでは響かない層にスマートフォンを売っていかなければいけないときに、このような歩み寄りをすること- 素でも色々できることをふやすこと- は、大変重要なことだと思うのです。
すでに販売済みで、品薄が続いているGALAXY S SC-01B(ドコモ・Samsung)や、まもなく発売が予定されているGALAXY Tab SC-01C(ドコモ・Samsung)も、多くの来場者の注目を集めていました。
次の柱が、「選べるカメラ・選べるデザイン」。
まずは、「選べるカメラ」について。携帯電話のデジタルカメラは高画素化競争の一途をたどってきました。単純に「高画素=きれい」というユーザーの考えに応えた面もあります(実際は画素よりも、レンズや画像処理の方が大切なのに...)が、この競争もある意味ひと段落付きそうなので、ようやくカメラ画像の処理エンジンやレンズなど、画素数でないところのこだわりで選べるようにしよう、という趣旨と自分は理解しています。
その筆頭が、LG電子製のL-03C(ドコモ)。見た目がまず携帯電話ではありません。携帯電話付きデジカメです。ペンタックス(HOYA)製の沈胴式光学3倍ズームレンズに、(こちらは全く公表されていませんが)三洋電機製のCMOSセンサーを組み合わせた結構本格的なデジタルカメラを搭載しています。Bluetooth経由でパソコンから端末を遠隔操作するという「誰得」機能も付いている、フルタッチケータイでもあります。
Panasonic(パナソニックモバイルコミュニケーションズ : PMC)からも、遂にデジカメブランドLUMIXを冠するLUMIX Phone P-03C(ドコモ・Panasonic)が登場します。LUMIXの画像処理エンジン"VenusEngine"を携帯電話向けに移植した、"Mobile VenusEngine"で撮った写真を綺麗に処理してくれます。デジカメ操作はタッチパネルで行うことが可能で、UIもLUMIXっぽくなっています。撮った写真は、無線LAN機能を使ってパソコンに即時転送、という使い方も可能です。無線LAN機能については、ホームUやアクセスポイントモードに対応していないのがちょっと残念なんですが...
富士通のF-01C(ドコモ・富士通)、F-02C(ドコモ・富士通)、F-03C(ドコモ・富士通)は、ようやく(と言っていいのかな?)、カメラセンサーにソニー製の"Exmor for Mobile"を搭載していることを訴求し始めました(実は前からソニー製センサー使っているんですけど...)。それに、某一眼レフカメラメーカーにも供給している自社製画像処理エンジン"Milbeaut"のモバイル版"Milbeaut Mobile"を組み合わせています。これらの機種は、ルネサス製高性能チップセット"SH-Mobile G4"を搭載しており、処理能力を活かしてフルHD(1920x1080ドット)の動画撮影が可能になっています。カメラの起動時間・保存時間等もSH-Mobile G4初号機のF-06Bよりも改善されています。
富士通には、これら「SH-Mobile G4三兄弟」以外に、カメラ機能に別の意味で拘っている機種があります。F-04C(ドコモ・富士通)と、F-05C(ドコモ・富士通)です。これらの機種は、携帯電話で「自分撮り」をしている女子高生が多いことに注目し、インカメラの画素数を130万画素にあえて向上。また、プリクラで撮影した写真にお絵かきしていることにも着目して、静電式が主流になりつつある風潮にあえて逆行し、タッチパネルに感圧式、しかも、お絵かき機能にしか使えないものを採用(つまりStarアプリでのタッチパネル操作等は不可)。別の意味で写真を撮ることの価値観を追求しています。
「自分撮り」に対して、別のアプローチを持ってきたのがNECカシオモバイルコミュニケーションズ(NCMC)。NCMCというと、ここ最近は「瞬撮ケータイ」というキーワードを掲げ、カメラ機能の起動速度にものすごく拘ってきました。
今回、それに加えて、アウトカメラで自分撮りをするための支援機能が充実しているのが、N-01C(ドコモ・NCMC)。発売日にソフトウェアアップデートが出てしまったモデルです... より画素数の高いアウトカメラで自分撮りが出来るようにと、顔が自分撮りに最適なエリアに入ると音声と光で知らせる機能が付いています。
「瞬撮ケータイ」そのものも、に更に磨きがかかり、何と0.5秒で起動・最短0.6秒で連写できるようになりました(共に待受解像度時)。カメラボタンを押した瞬間に起動とか、マジであり得ません。N-02C(ドコモ・NCMC)も、そんな機種のひとつではありますが、防水付きの「隠れハイスペック」なモデルです。今季のモデルで唯一ホームUにも対応しています。
ここ最近、自社製のCCDセンサーカメラに拘っているシャープも負けてはいません。AQUOS SHOT SH-01C(ドコモ・シャープ)は、今季最高の1410万画素のCCDカメラを搭載し、自社の画像処理エンジン"ProPix"も改善し、ノイズリダクション機能が強化されています。SH-07Bから引き継いだフルHD動画撮影についても、24fps→30fpsと、秒間6フレーム多く撮影できるようになりました。そこに、アクセスポイント対応の無線LAN機能を追加。F-01Cに並ぶウルトラハイスペックモデルとなりました。
ちょっと「飛び道具」っぽいですが、フルタッチiモードケータイであるAQUOS SHOT SH-05C(ドコモ・シャープ)もこれまたカメラにある意味拘っています。SH-01Cとほぼ同じ1410万画素CCDカメラに、光学3倍ズームを積んでしまいました。シャープの光学ズームケータイは、SBM向けの910SH以来。派生モデルとして、HDMI出力を省き、カメラスペックを530万画素のCMOSセンサーに落とした代わりに、nHD(640x360ドット)出力可能なプロジェクターを内蔵したSH-06C(ドコモ・シャープ)も登場します。どちらの機種も、実機展示があったものの、発売がまだ先なせいか、ソフトウェアに「作りかけ」な部分が少々見受けられました。ただ、どこでも機能アイコンをおけるデスクトップ機能など、目を見張る機能が。楽しみです。
次は、「選べるデザイン」。ドコモでは、ここ最近、「コラボケータイ」を大量投入しています。理由は単純で、通常モデルよりやや高い価格設定でも、確実に買ってくれる顧客が存在するからで。SH-06A NERV(ヱヴァンゲリヲンとのコラボモデル)やSH-04B(Q-pot.とのコラボモデル)などは、予約を受け付けたら一瞬で予約受け付け終了してしまったぐらいですから...
今季も、コラボモデルがよりどりみどりです。今季、一番衝撃的だったのは、先ほども取り上げたF-04C(ドコモ・富士通)。このモデルは、SHIBUYA 109(その名の通り、東急グループの商業施設で、ドコモのケータイクレジットiDも使えます)に出店している人気の3ブランドとコラボレーションした、新しい基軸のコラボケータイ。CECIL McBEEコラボの「小悪魔ピンク」、Pinky Girlsコラボの"LOVE SWEET PINK"、COCO LULUコラボの"STAR SPLASH"が用意されます。特に、STAR SPLASHはかなり強烈なインパクトで、視界に入ったら釘付けになること間違い無しです。訴求としては、「109のブランドケータイを持って109に行って、iDでお買い物!!」とかアリなんでしょうかw
過去に、予約瞬殺・オークションで価格高騰という現象を起こしたQ-pot.ケータイの新作、SH-04C(ドコモ・シャープ)も登場します。前回はチョコレートケータイでしたが、今回はビスケットケータイとなりました。もしかすると、前回よりも落ち着いた感じがするかもしれません(前回のインパクトが強すぎた、という線もありますがw)。防水対応で、ドコモのポリシーとして添付している卓上ホルダも、しっかりデザインされています。
スポーツブランドとのコラボもあります。N-03C(ドコモ・NCMC)は、今までのドコモのラインナップに欠けていた、耐衝撃ケータイ。NEC携帯電話事業とカシオ日立モバイルコミュニケーションズが統合した事による効果が遂に顕現した感じの端末です(G'zOneブランドじゃないですけど...) この機種のホワイトは、"BURTON WHITE"と名付けられ、スノーボードのトップブランド、BURTONとのコラボレーションモデルとなります。外装のボタン印刷がその他の色とは異なっていたり、オリジナルの「ひつじのしつじくん」マチキャラに代表されるオリジナルコンテンツが入っていたりします。
そして、手触りやにおいをアピールできる端末も登場しました。TOUCH WOOD SH-07C(ドコモ)は、ドコモとオリンパスが研究を続けてきた本物の木を筐体に使ったフルタッチiモードケータイです。コンセプトモックは各種展示会等で出ていましたが、まさか、商品化するなんて、という驚きです。残念ながら、実際に動作する端末は用意されていませんでしたが、モックの段階で、ひとつひとつの筐体の木目・色合いが異なることが良く分かります。鼻を筐体に近づけると、木のにおいもしっかりします。
こうしてケータイを俯瞰していると気付くのは、ケータイも捨てたモノじゃないな、という印象。ある程度使い勝手をお膳立てした上で、各種サービスを使う、というのは決して悪いことではありません。ただ、ケータイの中身がスペックアップしていくにつれて、ある種のちぐはぐさが出てきているのも事実で。たとえば、せっかく高画素カメラで写真を撮ったとしても、メール添付ファイルサイズ制限のせいで送れない可能性もあったりとか。その辺の整合性を取るには、通信規格の向上等々、色々考えなければいけないことがあるのでしょうね... あるいは、そのちぐはぐさの解決法の1つがスマートフォンシフトにしていくことなのかな、とも思いました。
そして、3つめの柱が次世代通信規格であるLTE。ドコモではXi(クロッシィ)という名称でサービスが提供されます。
現在FOMAで利用しているコア周波数帯でもある2GHz帯を一部LTE用に転用、12月24日から東京・名古屋・大阪のごく一部のエリアからサービス開始となります。初期段階では、屋外はシングルキャリア(電波帯域1本)で下り37.5Mbps/上り12.5Mbps、一部の屋内基地局ではデュアルキャリア(電波帯域2本)で下り75Mbps/上り25Mbpsで通信出来ます(もちろん、いずれの数値も理論値)。初期のFOMAエリアの反省に立ち、ドコモが用意するXi端末は全てFOMA(UMTS/HSPA)通信機能を備えており、LTEエリア外ではFOMAパケット通信をすることができます。
WiMAXはテストサービス段階で自宅もエリア内だったんですけど、LTEは圏外なんですよねぇ...orz しかも、サービスイン段階では歩いて20分ぐらいの場所まで行かないとエリア入らない.... 今年度末までには歩いて10分以内まで「短縮」されますが、それでも、しばらくエリア内に入らない悪寒が... それでも、FOMAパケットが使えるのが一応の救い、ということかもしれません。
LTEエリアがこんな感じなので、しばらくは従来のFOMAネットワークを使うモバイルWi-Fiルーターにも注力するそうで、バッファロー製のBF-01B(ドコモ)に加えて、イー・モバイルやSBMで販売されている"Pocket WiFi"をベースとしたHW-01C(ドコモ)を投入します。HW-01Cは、コンパクトさと、海外ローミング対応(UMTS/GPRS)をウリにするそうです。内覧会では、何と、iPadと一緒に展示。ある意味、ドコモも「吹っ切れた」のかなぁ、と思ってみたりも。
と、いうことで、トップシェアの通信事業者らしい「全方位」を感じることができた内覧会でした。
このほかのサービスやプレゼンテーションについては、別記事を立てて、今週中に書きたいと思います。
その全方位姿勢の柱のひとつが、スマートフォンな訳ですが、特に人気を集めていたのがREGZA Phone T-01C(ドコモ・富士通)です。全展示製品の中で唯一、体験コーナーに待機列が形成され、体験に制限時間が設けられるほどでした。
この端末は、東芝の携帯電話事業が、富士通東芝モバイルコミュニケーションズに移管してから初のドコモ向け端末となります。防水機能を備えているほか、おサイフケータイ、ワンセグ、高画素カメラなど、日本のハイエンドケータイに親しんだ人が実に大喜びししそうなAndroid端末となっています。それが、このような好評を生んだのかもしれません。
裸眼3Dにも対応した液晶を搭載した、やはりハイエンドケータイ好きが喜びそうなスマートフォン、LYNX 3D SH-03C(ドコモ・シャープ)も、裸眼3Dはどんなものか、という興味を引いたのか、なかなか好評を博していました。
これらの会場での人気スマートフォンはAndroid 2.1を搭載しており、最新の2.2ではありません。しかし、OSの目新しさが、必ずしもスマートフォンへの評価を悪くするとは限らない、ということが、垣間見える光景だったように思います。だからと言って、OSのバージョンアップをサボる、ということはなく、T-01C、SH-03Cともに、Android 2.2へのアップグレードは予定されています。発売後数ヶ月以内を目標にしているそうです。
一方、スマートフォンは、ケータイとに比べると「スマート」じゃない面も少なからずあるように思えます。そのひとつの解答として用意されるのがOptimus chat L-04C(ドコモ)です。
Optimus自体は、LG電子がグローバルで展開しているAndroidスマートフォンブランドで、Optimus chatは、エントリー向けのQWERTYキー搭載のモデルとなります。自社製の"Optimus UI"というユーザーインターフェース(UI)を搭載しているだけではなく、「ケータイを使ってきた人向けに、スマートフォン分かりやすく使ってもらうためにはどうしたらいいか」という命題に対して、ドコモなりに出した解答である「ドコモメニュー」というUIも搭載しています。このUIは、ドコモのケータイのメニュー構成をほぼそっくりそのまままねたUIになっています。「スマートフォンは『素』のままが良い」というソフトバンクモバイル(SBM)の思想とは全く逆を行く発想です。
T-01C、SH-03C、そしてL-04Cを見て感じるのは、「スマートフォンは『素』のままだと販売拡大できない」というドコモなりの思想です。
先ほど、「スマートフォンは、ケータイとに比べると『スマート』じゃない面も少なからずある」と書いたのは、まさしくそこで、今までケータイに親しんできた人たちからすると、スマートフォンの「素」では何にもできない不安があるはずで。とそういう意味では、「とりあえず最新のAndroidのせてみましたー」的、あるいは「いちから環境を構築してこそのスマートフォンだ」というアプローチでは響かない層にスマートフォンを売っていかなければいけないときに、このような歩み寄りをすること- 素でも色々できることをふやすこと- は、大変重要なことだと思うのです。
すでに販売済みで、品薄が続いているGALAXY S SC-01B(ドコモ・Samsung)や、まもなく発売が予定されているGALAXY Tab SC-01C(ドコモ・Samsung)も、多くの来場者の注目を集めていました。
次の柱が、「選べるカメラ・選べるデザイン」。
まずは、「選べるカメラ」について。携帯電話のデジタルカメラは高画素化競争の一途をたどってきました。単純に「高画素=きれい」というユーザーの考えに応えた面もあります(実際は画素よりも、レンズや画像処理の方が大切なのに...)が、この競争もある意味ひと段落付きそうなので、ようやくカメラ画像の処理エンジンやレンズなど、画素数でないところのこだわりで選べるようにしよう、という趣旨と自分は理解しています。
その筆頭が、LG電子製のL-03C(ドコモ)。見た目がまず携帯電話ではありません。携帯電話付きデジカメです。ペンタックス(HOYA)製の沈胴式光学3倍ズームレンズに、(こちらは全く公表されていませんが)三洋電機製のCMOSセンサーを組み合わせた結構本格的なデジタルカメラを搭載しています。Bluetooth経由でパソコンから端末を遠隔操作するという「誰得」機能も付いている、フルタッチケータイでもあります。
Panasonic(パナソニックモバイルコミュニケーションズ : PMC)からも、遂にデジカメブランドLUMIXを冠するLUMIX Phone P-03C(ドコモ・Panasonic)が登場します。LUMIXの画像処理エンジン"VenusEngine"を携帯電話向けに移植した、"Mobile VenusEngine"で撮った写真を綺麗に処理してくれます。デジカメ操作はタッチパネルで行うことが可能で、UIもLUMIXっぽくなっています。撮った写真は、無線LAN機能を使ってパソコンに即時転送、という使い方も可能です。無線LAN機能については、ホームUやアクセスポイントモードに対応していないのがちょっと残念なんですが...
富士通のF-01C(ドコモ・富士通)、F-02C(ドコモ・富士通)、F-03C(ドコモ・富士通)は、ようやく(と言っていいのかな?)、カメラセンサーにソニー製の"Exmor for Mobile"を搭載していることを訴求し始めました(実は前からソニー製センサー使っているんですけど...)。それに、某一眼レフカメラメーカーにも供給している自社製画像処理エンジン"Milbeaut"のモバイル版"Milbeaut Mobile"を組み合わせています。これらの機種は、ルネサス製高性能チップセット"SH-Mobile G4"を搭載しており、処理能力を活かしてフルHD(1920x1080ドット)の動画撮影が可能になっています。カメラの起動時間・保存時間等もSH-Mobile G4初号機のF-06Bよりも改善されています。
富士通には、これら「SH-Mobile G4三兄弟」以外に、カメラ機能に別の意味で拘っている機種があります。F-04C(ドコモ・富士通)と、F-05C(ドコモ・富士通)です。これらの機種は、携帯電話で「自分撮り」をしている女子高生が多いことに注目し、インカメラの画素数を130万画素にあえて向上。また、プリクラで撮影した写真にお絵かきしていることにも着目して、静電式が主流になりつつある風潮にあえて逆行し、タッチパネルに感圧式、しかも、お絵かき機能にしか使えないものを採用(つまりStarアプリでのタッチパネル操作等は不可)。別の意味で写真を撮ることの価値観を追求しています。
「自分撮り」に対して、別のアプローチを持ってきたのがNECカシオモバイルコミュニケーションズ(NCMC)。NCMCというと、ここ最近は「瞬撮ケータイ」というキーワードを掲げ、カメラ機能の起動速度にものすごく拘ってきました。
今回、それに加えて、アウトカメラで自分撮りをするための支援機能が充実しているのが、N-01C(ドコモ・NCMC)。発売日にソフトウェアアップデートが出てしまったモデルです... より画素数の高いアウトカメラで自分撮りが出来るようにと、顔が自分撮りに最適なエリアに入ると音声と光で知らせる機能が付いています。
「瞬撮ケータイ」そのものも、に更に磨きがかかり、何と0.5秒で起動・最短0.6秒で連写できるようになりました(共に待受解像度時)。カメラボタンを押した瞬間に起動とか、マジであり得ません。N-02C(ドコモ・NCMC)も、そんな機種のひとつではありますが、防水付きの「隠れハイスペック」なモデルです。今季のモデルで唯一ホームUにも対応しています。
ここ最近、自社製のCCDセンサーカメラに拘っているシャープも負けてはいません。AQUOS SHOT SH-01C(ドコモ・シャープ)は、今季最高の1410万画素のCCDカメラを搭載し、自社の画像処理エンジン"ProPix"も改善し、ノイズリダクション機能が強化されています。SH-07Bから引き継いだフルHD動画撮影についても、24fps→30fpsと、秒間6フレーム多く撮影できるようになりました。そこに、アクセスポイント対応の無線LAN機能を追加。F-01Cに並ぶウルトラハイスペックモデルとなりました。
ちょっと「飛び道具」っぽいですが、フルタッチiモードケータイであるAQUOS SHOT SH-05C(ドコモ・シャープ)もこれまたカメラにある意味拘っています。SH-01Cとほぼ同じ1410万画素CCDカメラに、光学3倍ズームを積んでしまいました。シャープの光学ズームケータイは、SBM向けの910SH以来。派生モデルとして、HDMI出力を省き、カメラスペックを530万画素のCMOSセンサーに落とした代わりに、nHD(640x360ドット)出力可能なプロジェクターを内蔵したSH-06C(ドコモ・シャープ)も登場します。どちらの機種も、実機展示があったものの、発売がまだ先なせいか、ソフトウェアに「作りかけ」な部分が少々見受けられました。ただ、どこでも機能アイコンをおけるデスクトップ機能など、目を見張る機能が。楽しみです。
次は、「選べるデザイン」。ドコモでは、ここ最近、「コラボケータイ」を大量投入しています。理由は単純で、通常モデルよりやや高い価格設定でも、確実に買ってくれる顧客が存在するからで。SH-06A NERV(ヱヴァンゲリヲンとのコラボモデル)やSH-04B(Q-pot.とのコラボモデル)などは、予約を受け付けたら一瞬で予約受け付け終了してしまったぐらいですから...
今季も、コラボモデルがよりどりみどりです。今季、一番衝撃的だったのは、先ほども取り上げたF-04C(ドコモ・富士通)。このモデルは、SHIBUYA 109(その名の通り、東急グループの商業施設で、ドコモのケータイクレジットiDも使えます)に出店している人気の3ブランドとコラボレーションした、新しい基軸のコラボケータイ。CECIL McBEEコラボの「小悪魔ピンク」、Pinky Girlsコラボの"LOVE SWEET PINK"、COCO LULUコラボの"STAR SPLASH"が用意されます。特に、STAR SPLASHはかなり強烈なインパクトで、視界に入ったら釘付けになること間違い無しです。訴求としては、「109のブランドケータイを持って109に行って、iDでお買い物!!」とかアリなんでしょうかw
過去に、予約瞬殺・オークションで価格高騰という現象を起こしたQ-pot.ケータイの新作、SH-04C(ドコモ・シャープ)も登場します。前回はチョコレートケータイでしたが、今回はビスケットケータイとなりました。もしかすると、前回よりも落ち着いた感じがするかもしれません(前回のインパクトが強すぎた、という線もありますがw)。防水対応で、ドコモのポリシーとして添付している卓上ホルダも、しっかりデザインされています。
スポーツブランドとのコラボもあります。N-03C(ドコモ・NCMC)は、今までのドコモのラインナップに欠けていた、耐衝撃ケータイ。NEC携帯電話事業とカシオ日立モバイルコミュニケーションズが統合した事による効果が遂に顕現した感じの端末です(G'zOneブランドじゃないですけど...) この機種のホワイトは、"BURTON WHITE"と名付けられ、スノーボードのトップブランド、BURTONとのコラボレーションモデルとなります。外装のボタン印刷がその他の色とは異なっていたり、オリジナルの「ひつじのしつじくん」マチキャラに代表されるオリジナルコンテンツが入っていたりします。
そして、手触りやにおいをアピールできる端末も登場しました。TOUCH WOOD SH-07C(ドコモ)は、ドコモとオリンパスが研究を続けてきた本物の木を筐体に使ったフルタッチiモードケータイです。コンセプトモックは各種展示会等で出ていましたが、まさか、商品化するなんて、という驚きです。残念ながら、実際に動作する端末は用意されていませんでしたが、モックの段階で、ひとつひとつの筐体の木目・色合いが異なることが良く分かります。鼻を筐体に近づけると、木のにおいもしっかりします。
こうしてケータイを俯瞰していると気付くのは、ケータイも捨てたモノじゃないな、という印象。ある程度使い勝手をお膳立てした上で、各種サービスを使う、というのは決して悪いことではありません。ただ、ケータイの中身がスペックアップしていくにつれて、ある種のちぐはぐさが出てきているのも事実で。たとえば、せっかく高画素カメラで写真を撮ったとしても、メール添付ファイルサイズ制限のせいで送れない可能性もあったりとか。その辺の整合性を取るには、通信規格の向上等々、色々考えなければいけないことがあるのでしょうね... あるいは、そのちぐはぐさの解決法の1つがスマートフォンシフトにしていくことなのかな、とも思いました。
そして、3つめの柱が次世代通信規格であるLTE。ドコモではXi(クロッシィ)という名称でサービスが提供されます。
現在FOMAで利用しているコア周波数帯でもある2GHz帯を一部LTE用に転用、12月24日から東京・名古屋・大阪のごく一部のエリアからサービス開始となります。初期段階では、屋外はシングルキャリア(電波帯域1本)で下り37.5Mbps/上り12.5Mbps、一部の屋内基地局ではデュアルキャリア(電波帯域2本)で下り75Mbps/上り25Mbpsで通信出来ます(もちろん、いずれの数値も理論値)。初期のFOMAエリアの反省に立ち、ドコモが用意するXi端末は全てFOMA(UMTS/HSPA)通信機能を備えており、LTEエリア外ではFOMAパケット通信をすることができます。
WiMAXはテストサービス段階で自宅もエリア内だったんですけど、LTEは圏外なんですよねぇ...orz しかも、サービスイン段階では歩いて20分ぐらいの場所まで行かないとエリア入らない.... 今年度末までには歩いて10分以内まで「短縮」されますが、それでも、しばらくエリア内に入らない悪寒が... それでも、FOMAパケットが使えるのが一応の救い、ということかもしれません。
LTEエリアがこんな感じなので、しばらくは従来のFOMAネットワークを使うモバイルWi-Fiルーターにも注力するそうで、バッファロー製のBF-01B(ドコモ)に加えて、イー・モバイルやSBMで販売されている"Pocket WiFi"をベースとしたHW-01C(ドコモ)を投入します。HW-01Cは、コンパクトさと、海外ローミング対応(UMTS/GPRS)をウリにするそうです。内覧会では、何と、iPadと一緒に展示。ある意味、ドコモも「吹っ切れた」のかなぁ、と思ってみたりも。
と、いうことで、トップシェアの通信事業者らしい「全方位」を感じることができた内覧会でした。
このほかのサービスやプレゼンテーションについては、別記事を立てて、今週中に書きたいと思います。
[ケータイ会議SOLO]「絶」ではないけれど、好調です。
[ケータイ会議SOLO]また旅立ったF-02D…
[ケータイ会議SOLO]F-02DのAPモードが遅い。そんな時は…
[ケータイ会議SOLO]F-02Dを置いてきましたorz
[ケータイ会議SOLO]アクセスポイントモード使うぞ!
[ケータイ会議SOLO]F-02Dが帰ってきてました。
[ケータイ会議SOLO]また旅立ったF-02D…
[ケータイ会議SOLO]F-02DのAPモードが遅い。そんな時は…
[ケータイ会議SOLO]F-02Dを置いてきましたorz
[ケータイ会議SOLO]アクセスポイントモード使うぞ!
[ケータイ会議SOLO]F-02Dが帰ってきてました。
Posted by せう at 14:05│Comments(2)
│Mobile Phones
この記事へのコメント
こんばんは。
ドコモの新機種、まだじっくり見てなかったので色々参考になりました^^
REGZAは凄い人気のようですね~
au版のIS04にもワインレッド的な色が欲しかったです
ドコモの新機種、まだじっくり見てなかったので色々参考になりました^^
REGZAは凄い人気のようですね~
au版のIS04にもワインレッド的な色が欲しかったです
Posted by Cellphone at 2010年11月14日 21:34
>>Cellphoneさん
ちょっと亀レスになってすみません...
REGZA Phoneはものすごく人気でした。色合いは、「大人の事情」もあって、ドコモ・auで異なっているのですが、実機を見て判断してみると良いかもしれません。
ちょっと亀レスになってすみません...
REGZA Phoneはものすごく人気でした。色合いは、「大人の事情」もあって、ドコモ・auで異なっているのですが、実機を見て判断してみると良いかもしれません。
Posted by せう at 2010年11月20日 00:21
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