まずは外観。本機はPWR-100シリーズ(以下先代)と比べると、だいぶ丸っこい見た目になりました。塗装は扉の写真通り、ツルテカで指紋や埃が目立ちます。もし、指紋が気になる諸兄はメガネふきを常備するべき、っていうレベルです。
先代では接続状態等を3つのLEDで表示していましたが、
本機ではインジケーターモニターと1つのLEDの組み合わせとなりました。上の画像では、"docomo"というSSIDを持つWi-Fi(無線LAN)ネットワーク、要はMzoneを中継していることを示しています。(Mzoneの中継に関しては、若干困ったこともありますので、それについては後で書きます。)LEDは、電源状態やクライアントがアクセスしているかどうかを示すようになっています。
「光ポータブル」と言ったら、NTT-BPが開発をしてきた、最適な接続先を自動的に選び、中継する「コグニティブルーター」が具現化したものだった訳ですが、本機でも、その特徴は継承しています。
しかし、先代でもあった問題ですが、3G接続とWi-Fi接続を自動切替にしていると上手く切り替えできず、クライアント側でインターネット接続が出来なくなってしまうトラブルが結構起こっていました。
そんな時のために、先代でも接続先を固定するオプションがあったのですが、結構設定が面倒でした。
本機では、その切り替えが物理的なスライドスイッチでできるようになりました。コグニティブな自動切り替えモード、3G接続モード、Wi-Fi接続モードをスライドスイッチで切り替えられます。ある意味、待望の機能です。
裏面は、表面とはうって変わってつや消し。NTTロゴ入りのリヤカバーです。さわり心地は悪くありません。本体下部には先代同様、ミニUSB端子とクレードル端子が付いています。昨今はマイクロUSB端子が流行している中で、あえてミニUSB端子なのは、恐らく先代とのACアダプタの使い回し(一応「レンタル専用品」ですから…)を考慮しての結果と思われます。クレードル端子は、本体に添付されている有線LAN端子付きの標準クレードル、または、
この記事で触れた、「Wi-Fiクレードル」を接続するためのものです。端子の大きさから、先代のクレードルに接続できそうな予感もします。その予感通り、
先代のクレードルも(形状面でアレですが)使えてしまいそうな予感です(保証はしませんし、されません)。
本体正面には電源ボタンとSETボタンがあります。SETボタンは、先代で言うところの「AOSSボタン」で、Wi-Fiの簡易設定をするためのボタンです。先代ではAOSSとWPS(Wi-Fi Protected Setup)に対応していましたが、
本機ではWPSにのみ対応しています。そのせいかどうか分かりませんが、簡易設定成功率が格段に上がっていますw 先代では簡易設定、一度も上手くいきませんでしたから…orz
裏蓋に輝く「レンタル専用品」のシール
裏蓋を外すとmicroSDスロット、SIMスロット、バッテリーが鎮座。初期設定の接続情報も。
先代モデルで何かあったせいかどうか分かりませんが、箱や本機の裏蓋には「レンタル専用品(売買禁止)」というシールが貼ってあります。先代でも思ったのですが、いっそのこと買い切りプランとか作っても良いんじゃないか、とも思うんですが、レンタルだと、今回のように新機種が出たときに気軽に交換できるのが良いですよね。レンタル品なのに、売っ払う人がいるもんなのか、と正直驚いたりも。
で、裏蓋を外すと、先代同様、microSDスロット、SIMスロット、バッテリーが出現します。microSDスロットにmicroSD(HC)カードを入れると、NAS(ネットワークストレージ)として使えるのも先代同様です。先代ではドコモのFOMAカード(ドコモUIMカード)しか使えないSIMロックモデルと、どのキャリア(オペレーター)のSIMも(理論上は)受け付けるSIMロックフリーモデルが用意されましたが、
本機ではSIMロックフリーモデルのみ用意されます。なので、レンタルを受けたら、
KDDIと沖縄セルラー(au)以外のUSIMカード・UIMカードを入れれば通信できます(auは通信規格が違うので通信不可)。3G通信の対応周波数帯は…(取扱説明書から抜粋・加工)
Band I 2100MHz
UP :1920 ~ 1980MHz
Down :2110 ~ 2170MHz
Band VI 800MHz
UP :830 ~ 840MHz
Down :875 ~ 885MHz
Band IX 1700MHz
UP :1749.9 ~ 1784.9MHz
Down :1844.9 ~ 1879.9MHz
ということで、
ドコモで使えばFOMAプラスエリア・東名阪限定バンドでの通信も可能ですし、
イー・モバイルにも余裕で対応しています。本機には両社の接続設定(ドコモはmopera U、イー・モバイルは各種APN[一部プラン専用のものは除く])がプリセットされていて、かんたんに利用できます。もちろん、ソフトバンクモバイルのUSIMカードも利用可能です(1.5GHz帯エリアでは使えませんが…)。
バッテリーは先代と同規格品を使っているので、一応流用可能ですが、添付のモノは「PWR-Q200用」とシルク印刷されていました。先代のバッテリーを使うと、保証対象外になる可能性もあるので、ご注意を…
ログイン前の管理画面はスマホで表示してもスッキリ表示
ログイン後のメニュー
Webブラウザベースの設定画面は、案外質素ではありますが、先代とあまり変わらない印象もあります。
が、しかし。
Mzoneをよく使う自分にとって、見逃せない機能劣化が…
おい、IEEE 802.1X認証が出来なくなっているじゃないか…orz
Mzoneでは、IEEE 802.1X認証を使った「自動ログイン」機能が用意されています。
先代では、WAN側の無線LANにおいて、手動設定で1X認証を使ったアクセスポイントに接続することもできました。ところが、
本機では1X認証が(現在のところ)実装されておらず、Mzoneの自動接続ができないのです…要は、Mzoneでつなぎ直す度に、Webページ認証をいずれかのクライアントでしなければならない、ということです。今、こうして書いているこの記事も、実は、そういった手続きを経て本機経由で接続して書いている訳ですが、Web認証をバイパスすることに慣れすぎていて、非常に鬱陶しく感じてしまう…何より、ブラウザの使えない機器での接続に一抹の不安も…
と、いうことで、最後に愚痴っぽいことを書いてしまいましたが、1X認証の件以外は、先代よりも概ね満足な利用感です。今度は、時間が取れ次第、「Wi-Fiクレードル」(PWR-Q200-OP)のご紹介をしたいと思います。