東京メトロ車両のJRデジタル無線改造。
以前、
八高線用のキハ110系に搭載されたデジタル無線について紹介したのを覚えているでしょうか?
JR東日本のデジタル無線整備計画は、地上設備側の都合で若干遅れがでているものの、車両側に関しては順調に準備が進んでいるようです。
JR東日本の車両については、デジタル無線を整備する路線に定期的、あるいは臨時でも高頻度で入線しうる車両への搭載を完了しているようです。JR東日本以外の車両についても、デジタル無線整備線区に入線しうるものに対するデジタル無線装置の搭載が進んでいます。
今日は、東西線の新05系(東京地下鉄発足後落成分)の改造例を紹介。
[見づらくてすみません...]
[デジタル無線がらみの装置]
東西線新05系には、モニター装置が付いているのですが、それとは別にJR線用のモニター装置が付いています。これは以前キハ110系の例で出した「モニター装置」と同じものです。ATS-P形の列車番号設定や、デジタル無線による通告情報などの表示に用いられます。中央・総武各駅停車では、まだデジタル無線の供用が始まっていないため、運転士さんの運転情報モニターとしてのみ使われているようです。
[追加設置されたJR線用EBリセットスイッチ(Click to enlarge)]
今回のデジタル無線追設工事と同時に、JR線で使われるEBリセットスイッチが追加されていました。EB装置は、一定時間運転士による各種操作が行われていないと警告音がなり、やはり一定時間内にリセット操作(監視対象の各種操作を行うことでも可)を行わないと非常ブレーキがかかるというフェイルセーフ装置です。
東京メトロ東西線では、すでにデッドマン装置(運転中にマスコンから手を離すと非常ブレーキがかかる装置)をフェイルセーフ装置として設置しており、JRから東西線に直通するE231系800番台も、他のE231系とは異なる形状の、デッドマン装置付きのマスコンを搭載しています。
東西線を走る電車のデッドマン装置は、東西線内でのみ有効で、JR線内においては「無効」(E231系800番台は代わりにEB装置が有効)になっていました。
しかし、国土交通省令の改正で、全ての車両へのEB装置またはデッドマン装置の設置が義務づけられるため、今回のEB装置追設となったのでしょう。
走行線区によってフェイルセーフ装置の仕組みが違うのは、色々な「大人の事情」の結果なのだと思われますが、走る会社によって挙動が変わる部分って、個人的には結構興味津々です。
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